体を動かしたい!妊娠中の運動ってどこまで大丈夫?

マタニティ

体を動かしたい!妊娠中の運動ってどこまで大丈夫?

「妊娠中の運動はどこまでしていいの?」と疑問に思っている妊婦さんは多いのではないでしょうか。特に妊娠前まで頻繁に運動していた妊婦さんは、妊娠中の運動量が気になるところですよね。 妊娠中は運動をせずに安静にしていた方が良い、という考えはまだ残っていますが、妊娠中に運動をするメリットは多くあります。 同時に注意点もあります。 そこで、妊娠中の方はどこまで運動してよいのか、運動する時間や避けたほうが良い場合、妊婦さんが運動する際の注意点など詳しくご紹介します。 ぜひ、参考にしてください。

妊娠中はどこまで運動をしていいの?

02.jpg

妊娠中はどれくらい運動してよいか悩んでいる妊婦さんは多いのではないでしょうか。お腹に赤ちゃんが居ると赤ちゃんへの影響も気になるところですよね。 そこで、妊娠中の運動量や運動時間の目安などをご紹介します。

妊娠中の運動量

妊娠中はウォーキングやマタニティヨガ、エアロビクスなどの軽い有酸素運動に留め、激しい運動は避けましょう。運動する条件としては、妊娠経過が順調で主治医の先生から許可が出た場合です。合併症などがある場合は運動を避けてください。妊娠中は全身運動で尚且つ楽しく継続出来る運動をしましょう。 また、運動後には胎動を確認しましょう。正常な場合は、運動直後の30分間に少なくても1〜2回の胎動を感じられます。もし、運動後に胎動を感じなくなり不安になったら、病院を受診して下さい。

妊娠中の運動時間

運動時間の目安としては、週に2〜3回の60分程度にとどめてください。長時間の運動は母子ともに負担がかかってしまいます。一気に長時間運動するのではなく、コツコツ続けて運動することが大切です。また、運動をする時間帯は子宮収縮がおこりにくい午前10時から午後2時の間にしましょう。夕方から夜にかけては、子宮収縮が起こりやすいので避けてください。 午前10時から午後2時の間は、もしものことが起きた際にも病院が開いていて診察を受けられる時間でもあります。

運動をはじめて良い時期

運動をはじめる時期ですが、安定期に入ってから運動をするのが安心でしょう。妊娠成立前に行っていた運動については中止はしなくても良いと考えられていますが、運動の強弱は考える必要はあります。 妊婦全体の10~15%に起こる流産は安定期前の妊娠初期に起きます。流産は母親が原因ではなく、ほとんどの場合胎児の染色体異常で起こります。ですが、もしも流産が起きてしまったときに、あの時運動したから、もっと安静にしていればよかった、と自分を責めて後悔することになりかねません。 妊娠初期でも体に負担のかからないウォーキング程度は良いと言われていますが、安定期に入ってから運動を始めたほうが安心です。妊娠初期に運動を始めたい場合はウォーキング程度にとどめておいて下さい。新しくはじめる運動やマタニティヨガ、エアロビクスは安定期に入ってからはじめるとよいでしょう。 産院でマタニティヨガなどを実施しているところも多いので、気になる方はぜひ確認してみてください。妊婦さんのために考えられたプログラムなので、妊娠中でも安心して受けられます。

妊娠中に運動をするメリット

03.jpg

妊娠中はどれくらい運動して良いか、運動するタイミングなどについてご紹介しました。適切なタイミングで妊娠中に適度に運動することで多くのメリットが生じます。 そこで、妊娠中に運動することのメリットを詳しくご紹介します。適度な運動を取り入れて、快適な妊婦生活を送って下さい。

むくみを和らげる

妊娠中のむくみがひどくて辛い、と感じている妊婦さんも多いのでは無いでしょうか。妊娠中は女性ホルモンの影響で、通常よりも体内の水分量が多くなってむくみやすくなります。また、妊娠後期になると血流が圧迫されるため、特にむくみやすくなります。 運動をして体を動かすと、血流が促進されてむくみを和らげることができます。そのため、適度な運動はむくみを和らげるのに効果的です。 適度な運動と併せて食事などに気を使うとより効果的でしょう。

便秘の改善

妊娠中の便秘は妊婦さんが抱えているトラブルの一つです。妊娠中の便秘はなかなか辛いですよね。便秘が解消されることで、腹痛が治ったという妊婦さんも。それほど妊娠中の便秘は手ごわいです。 妊娠初期には、つわりで思うように水分がとれなくて水分不足が便秘に繋がります。妊娠中期や後期になって子宮が大きくなると、胃や腸が圧迫されて働きが悪くなります。 ですが、運動をすると腸が刺激されしっかり動くようになり、便秘の改善に繋がります。そのため、適度な運動は便秘の改善にも繋がります。運動をする他にこまめに水分補給をするなどして、便秘を改善しましょう。

ストレス発散

妊娠中の適度な運動はストレス発散にも繋がります。妊娠中は何かと不安なことが多いですよね。いつもは悩まないことで悩んでしまうこともあると思います。また、流産などのトラブルを恐れて、家の中で安静にしていても気分が塞がってしまいます。 そんなときは、ウォーキングなどの軽い運動をしてみましょう。気分もスッキリします。やはり流産が怖くて運動をしたくない、という方は、ストレッチだけでもしてみると良いでしょう。体を少し動かすだけで気分は変わります。

出産育児にむけての体力作り

長い長い陣痛からの出産になるので、非常に体力を使います。そのうえ出産後には、赤ちゃんに母乳をあげたり夜泣きの対応をしたりと、体力が必要とされる場面が多いです。そのため、出産や育児に耐えられる体力が必要不可欠。妊娠中に運動をして、出産や育児に備えて体力作りをしましょう。

体重増加を防ぐ

妊娠中の運動は体重の増加を防ぐことに繋がります。 妊娠中の体調管理はとても大切です。つわりが終わって思う存分食べていたら、「体重が増えすぎ」とお医者さんに言われた経験のある妊婦さんは多いのではないでしょうか。妊婦さんの体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や難産を引き起こす恐れがあります。 これらのリスクを減らすためにも体重管理をしっかりして、妊娠中は無理のない範囲で運動をすると良いでしょう。

妊娠中に運動をするときの注意点

04.jpg

妊娠中に運動することのメリットについてお話ししました。妊娠中はお腹が大きくなり妊娠前の体とは変わってくるため、注意点がいくつかあります。 そこで、妊娠中に運動するときの注意点を詳しくご紹介します。注意点を理解し、安全に運動をしましょう。

ジャンプやお腹に衝撃が加わる運動は避ける

ジャンプやお腹に衝撃が加わる運動は早産のリスクがあるので避けましょう。例えばバスケやスキーなどです。 また、瞬発性のスポーツも控えましょう。妊娠中はジャンプやお腹に衝撃が加わると、胎児や母親に危険が及ぶので、これらの運動は避けて下さい。

炎天下での運動

炎天下での運動は避けましょう。母親の体温が上昇すると胎児の体温も上昇します。胎児の体温が上昇することで、危険な状況が起こりうるリスクがあります。よって、炎天下での妊婦さんの運動は避けて、マタニティヨガやエアロビクスなどの室内で運動できるものにしましょう。

多胎妊娠の場合は積極的な運動を避ける

多胎妊娠の妊婦さんの場合は、積極的に運動をすることは避けた方がよいでしょう。なぜなら、子宮収縮や合併症が起きやすく、早産に繋がる恐れがあるからです。運動するのはリスクが高いです。多胎妊娠の妊婦さんは単胎妊娠の妊婦さんに比べて体重が増加しやすいので、体重管理で運動をしなくては、と考える妊婦さんも多いでしょう。 ですが、無理して運動をするのは避けてください。頑張って運動したのに早産につながってしまったら元も子もありません。運動は避けましょう。

凸凹道は避ける

妊娠中にお腹が大きくなると足元が見えづらいため、凸凹している道などは転倒するリスクがあります。そのため、運動する際には平坦な場所で運動しましょう。ウォーキングをする場合には、凸凹した道を避けて歩きやすいルートを選んでください。 また、障害物のある所や下り坂にも気を付けましょう。

仰向けの体制

お腹が大きくなってくる16週以降は、仰向けの体制で行う運動を避けましょう。妊婦さんによっては、仰向けで寝るのが苦しくなってくる時期です。仰向けの姿勢でいることで、静脈が圧迫されて低血圧になってしまう、仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)を引き起こす可能性があります。 症状は、吐き気や冷や汗、顔面蒼白などの症状です。もし症状が出てしまったら、左を下にして横になる体制をとりましょう。仰臥位低血圧症候群を避けるためにも仰向けの体制での運動は避けてください。

お腹の張りや出血が見られたら中止

お腹の張りや出血が見られたら運動を中止しましょう。妊娠中の運動は妊婦さんの健康のために行います。ですが、運動をし過ぎて体調を崩したら本末転倒。妊婦さんの無理のない範囲で、体調を見ながら運動をすることが大切です。

水分補給をしっかりする

妊婦さんは特に水分不足になりやすいです。妊娠中は基礎体温が上がるうえに、新陳代謝が良くなって汗をかきやすくなるためです。また、羊水を作り出すために水分は必要不可欠です。そのため、妊娠前よりも水分が必要です。脱水症状にならないためにも、運動の合間にこまめな水分補給をしましょう。

まとめ

05.jpg

今回は、妊娠中の運動についてご紹介しました。妊娠中にどれくらいの運動をしてよいかについては、軽めの有酸素運動程度です。また、安定期から運動をはじめると安心でしょう。 ただし、妊娠の経過が順調で合併症などを起こしておらず、早産傾向でないことが条件となります。また、多胎妊娠の方は積極的な運動を避けてください。 妊婦さんが運動することは、むくみや便秘などの妊娠中のマイナートラブルを改善するのに効果的です。 また、妊婦さんの体は妊娠前に比べて大きく変わっています。運動するうえでは炎天下での運動を避け、十分な水分補給をするなどといった注意点があります。妊娠中の体調は個人差がとても大きいので、妊娠中は主治医の先生に相談しながら運動をすることが大切です。

妊婦さんはしっかり主治医の先生と相談して、無理せず楽しく運動して素敵なマタニティライフを送って下さいね。

SNSシェア

  • Facebook

  • Twitter